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小さな菜園のある暮らし

夫婦で南信州に移住。山登ったり、自転車乗ったり、野菜作ったりしています。

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カラマーゾフの兄弟

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最近の中央アルプス。奥に見えているのは伊那前岳。  (2015年2月)


久しぶりにロシアの長編小説を読みました。2007年に出版された亀山郁夫訳の「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー・光文社文庫)です。当時、ベストセラーになってましたよね。そのとき夫が買って読んだものが、我が家の本棚にあったので、いつか読もうと思いつつ今まで開いていませんでした。

1部はちょっと退屈で、何なんだろうこれ、と思いながら読んでいたのですが、2部あたりからちょっと面白くなってきて、3部4部は一気に駆け抜けるといった感じでした。そしてエピローグは静かに進み、最後はちょっとホロリとなりました。

登場人物が多いのですが、一人ひとりが個性的で印象深いので誰が誰だかわからなくなる、ということはありませんでした。が、しばらく登場しなかった人物がふいに出てくると「えーと、この人は何だっけ・・・」となってしまいます。でも、この文庫本に付いていたしおりには、登場人物の簡単な説明が書かれていたので、私のような読者にはありがたい心遣いでした。よくわかってますね、光文社文庫さん(笑)

私はロシアの長く寒く辛い冬を思わせるような、重くて薄暗いロシア文学が好きです。人間の内へ内へと向かっていく感じ、人間の醜さをあぶり出す感じがいいですよね。
ロシアには行ったことがないので、いつか訪れて、その空気を感じてみたいです。

「カラマーゾフの兄弟」には、「罪と罰」のような重厚なものを期待していたのですが、ちょっと期待はずれでした。ずーんと落ちていく感じがなかったです。

今ひとつ理解できないところが多いんですよね。キリスト教や、ロシア正教の長老制や、農奴制といった階級のことをよくわかっていれば、もっとすんなりわかるのかもしれません。
「神はいるのかいないのか」という大きなテーマにのめり込むことも出来ませんでした。八百万の神々がいる日本で生まれ育っていますからね、どこか冷めた目で見てしまっています。

それにしても、この小説に登場する女性のほとんどが、ヒステリーや錯乱を起こすのは一体どういうことなんでしょう??? ドストエフスキーの周りには、こんな女性ばかりがいたんでしょうか。そんなわけでこの小説は、泣き喚いたり叫んだり、騒々しい場面が多いです。

その中で、主人公のアレクセイだけが、春の日差しのように優しく暖かく、ホッとさせてくれます。エピローグでアレクセイが子供たちに語りかける場面は、心に柔らかく響きました。

なんとなく中途半端に終わっていると感じたこの小説には、続編の予定があったそうです。ドストエフスキーの急死によって、その小説は書かれることはなく、よって、「カラマーゾフの兄弟」ですっきりしない部分はそのまま解決されることはありません。とっても残念です。

「カラマーゾフの兄弟5 エピローグ別巻」には、訳者の解読が(結構長く)書かれています。この解読もわかりやすくて面白いです。この解読を踏まえた上で、あとでまたじっくりと、最初から読み返してみたいと思っています。


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峠で会った無口なロシア人サイクリスト。  キルギスにて(2012年9月)


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