おへんろの記録その1、阿波の国
藤井寺から焼山寺へ向かう道。徳島県では数十年に一度という大雪が降ったばかり。(2016年1月28日)
整備された美しい竹林。 徳島県阿南市にて(2016年2月1日)
八十八ヶ所の札所(お寺)の1番から23番までが徳島県にあります。よって、お遍路を始める場合、徳島県から始める人が多いと思います。必ず1番から順番に回らなければならないという決まりはなく、どこから始めても良いとされていますが、私たちはやはり1番から順番に行くことにしました。
そんな徳島県(阿波の国)は「発心の道場」と言われています。発心とは、仏教に帰依しようとする心を起こすこと。
私は仏教の教えは好きですが、仏教徒というわけではありません。お寺にお参りしたことはありますが、きちんとした作法などは知りませんでした。
そんな私たちに最適な人と、1番霊山寺へ行く途中で出会いました。その人は森さんといい、「おへんろ亭」というお遍路さんの休憩所をやっていて、道行くおへんろさんに声をかけてはあれこれとお世話してくれています。
私たちも呼び止められ、おじゃましてお茶をいただき、徳島県内の宿泊情報など教えていただきました。森さんは一緒に1番のお寺まで来てくれて、お寺での参拝の順序や作法なども教えてくれました。これは大変有益でありがたいものでした。
読経をするのは初めてのことです。お経の意味はわかりませんが、文字に集中すると無心になり、心が静かになっていきました。お堂に向かって手を合わせると気持ちが落ち着き、とても心地よく感じました。
こんなふうに、私たちのおへんろの旅は始まりました。
以下は記録です。(日付をクリックすると夫のブログ(詳細な記録)を見ることができます。)
2016年1月25日(移動日)
5:40自宅近くのバス停~バス~7:50伊那大島駅~(徒歩)~7:35松川インター高速バス乗り場 8:15~(バス)~13:50大阪梅田~(徒歩)~なんば駅17:40~(鉄道)~和歌山港21:30~(フェリー)~徳島港~(バス)~徳島駅 (近くの廃業したインターネットカフェ内で仮眠)
駅から高速バス乗り場まで歩く。前日に降った雪が積もっている。
1月26日(お遍路1日目・晴れ) 訪れたお寺 1・霊山寺 2・極楽寺 3・金泉寺 4・大日寺 5・地蔵寺(歩いた距離 15km)
徳島駅~(鉄道)~板東駅→森さん宅で宿泊情報など教えてもらう。→森さんと一緒に1番霊山寺へ行き、お遍路グッズの買い物と参拝の順序を教えてもらう。→森さんと別れ、セブンイレブンで昼食。→2番極楽寺→3番金泉寺→4番大日寺→5番地蔵寺→地図に載っていたスーパーへ行ったら潰れていた・・・。近くにあった直売所で買い物。→上板ファミリースポーツ公園にテント泊
お世話になった森さんと、霊山寺の山門前で。後ろのマネキンはおへんろさんの正式衣装を身につけています。
1月27日(2日目・晴れ) 6・安楽寺 7・十楽寺 8・熊谷寺 9・法輪寺 10・切幡寺(20km)
上板ファミリースポーツ公園→6番安楽寺→7番十楽寺→8番熊谷寺→9番法輪寺→セブンイレブンで食事。→10番切幡寺→小さなスーパーで買い物。スーパーのおばちゃんがコーヒーとバナナをごちそうしてくれる。テントに泊まるのは寒いだろうと言って、ペットボトルにお湯を入れて「湯たんぽにして」と渡してくれた。→川島潜水橋土手上にテント泊
(左)こんな案内が各所にある。(右)吉野川に架かる沈下橋を渡る。
1月28日(3日目・晴れ) 11・藤井寺 12・焼山寺(25km)
川島潜水橋土手上→11番藤井寺→へんろころがしと呼ばれる遍路道を歩く。ここは空海が1200年前に歩いたままの道と言われる。→長戸庵→柳水庵→一本杉→12番焼山寺→すだち館で買い物。干し柿をいただく。→玉ヶ峠・お堂の宿泊不可。→神山の集落→廃屋の軒下にテント泊
(左)まだ雪が残る静かな山村。(右)すだち館で買った美味しいお寿司。1パック500円。
1月29日(4日目・曇りのち雨) 13・大日寺 14・常楽寺 15・国分寺 16・観音寺 17・井戸寺(21km)
廃屋の軒下→広野・車の助手席から、おばちゃんが手を伸ばしてアメをくれた。→入田・おやすみなし亭で休憩。キレイな小屋の中に、アメ、みかん、お湯の入ったポットとインスタントコーヒーが置かれている。→セブンイレブンで食事。→13番大日寺・小雨が降り始める。→14番常楽寺・雨がしっかり降り始める。→15番国分寺→16番観音寺・雨が強くなり雨宿り。→府中駅で雨宿り。井戸寺に電話を入れ、今夜通夜堂に泊まりたい旨伝えると大丈夫だというお返事。→17番井戸寺・近くのローソンで買出しをして通夜堂で食べる。通夜堂泊
(左)今にも雨が降り出しそうな空。(右)座頭市の撮影がされたことがあるという常楽寺。
1月30日(5日目・くもり) 18・恩山寺 19・立江寺(25km)
井戸寺→地蔵峠・トイレ、東屋あるが、「私物持込禁止・火気厳禁」と貼り紙されている。→スーパーセブンで買い物。→不快な国道55号に沿って歩く。→18番恩山寺→19番立江寺→法泉寺下にテント泊
(左)地蔵峠への登り。至るところでお地蔵様が見守っている。(右)車が多くて不快な国道55号を徳島市から小松島市へ。
1月31日(6日目・霧雨のち曇りのち晴れ) 20・鶴林寺 21・太龍寺(24km)
法泉寺下→ローソンで朝食。→この先、店がないのでサークルKで買い物。→かやぶきのへんろ小屋。トイレあり。→20番鶴林寺→大井小学校跡→21番太龍寺→県道28を下りる。→道の駅わじきにテント泊、夜は車の音がうるさい。
(左)橋の上では杖を突かない。(右)眺めの良い鶴林寺への道。
2月1日(7日目・曇り時々雨のち晴れ) 22・平等寺(28km)
道の駅わじき→大根峠→22番平等寺→弥谷観音→由岐・由岐駅の中にあった物産館で食料買出し。駅前に住むおばちゃんがみかんをくれた。→山座峠→美波・小さなスーパーで買い物。→道の駅日和佐にテント泊。18:00まで足湯に浸かれて極楽。
(左)由岐駅内のぽっぽ物産館で買ったお寿司。1パック300円。(右)道の駅にあった無料の足湯で生き返る。
2月2日(8日目・晴れ) 23・薬王寺(22km)
道の駅日和佐→23番薬王寺→サークルKで朝食。→歩いていたら気分が悪くなり吐き気がする。牟岐のスーパーで休憩。アクエリアスを飲んで座っていたら少し復活。→牟岐の郵便局ではがきを出す。→ローソンで休憩。→鯖大使→大砂海水浴場にテント泊
(左)室戸岬まで、あとはひたすら歩くのみ。(右)しばらくは海沿い。
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